英国日記15
Walse

日本食

イギリスでも我家では、日本食を食べていた。といってもご飯とおかず というパターンだから日本食といっているだけで、おかずの方は、どう してもイギリス流になってしまう。最初は、どれを食べてもあまりおい しくなく食が進まなかったので、すこしやせれたのではないかと思う。 牛肉などは、日本のものとは多少違う臭さがあったし、イギリスで買っ たソースはかなりすっぱいものであった。もちろん魚も売ってはいるの だが、新鮮なのはなくスモークされたものがほとんどである。昼は、ど うしてもスパゲッティとかサンドイッチになってしまう。
イギリス人は昼をあまりちゃんと食べない人もいる。サンドイッチなど は一切れだけとか、ポテトチップスを昼飯代わりにしている人もいる。 なんどか、大学の学食にも行ったが、お世辞にもおいしいといえるもの ではなかった。もっとも、大学内には、2ヵ所食堂があり、そのうちの 一つは、アートセンターの脇にあり多少高めだが、まともな料理を出し ていた。ただし、イギリスの料理は、日本人の舌からするとかなり素朴 で、あまり凝ったソースなどがかかっていない。あるときステーキを町 のレストランで注文したが、ソースのかわりに、マスタードがついてい ただけである。そして、そこに山盛りのフレンチポテトがつく。イギリ ス人の主食はどうやらポテトのようである。そういえば、古くからある ファーストフードのフィシュアンドチップスというのは、白身魚のフラ イと山盛りのフレンチポテトが新聞紙に包まれて出てくる。これにビネ ガー(お酢)をかけて食べる。最初は、フィシュアンドチップスを買っ て来て家で醤油をかけて食べたりしていたが、途中から、本場のビネガ ーをかけて食べるという習慣に慣れてしまった。イギリス人はこのビネ ガーが好きなようである。スーパーにいってもかなり沢山の種類のビネ ガーがずらっとならんでもいる。
あるとき、中国人の留学生を家に招待したことがあるが、そのとき、我 々としては、最大のもてなしのつもりで、ちらし寿司をつくったが、普 段イギリスのビネガーづけの食事に飽きあきしていたと思われるその青 年は、一口食べたとたん何ともいえない顔をしたのを今でも覚えている。 さて、イギリスのスーパーでも醤油は売っていた。中国製のがほとんど であるが、時として日本製のものも置いてあるところがある。こちらは 多少高めである。それとインスタントラーメンも2つあるスーパーのう ちの片方には置いてあった。といっても日本製ではなく味も多少違って いる。それでも我々はよく、このインスタントラーメンに舌鼓を打った ものである。まえにチャイニーズの take away の話をしたが、イギリ スの中華料理にはラーメンはない。中華料理屋にいくと時たまスープ ヌードルというメニューがあるところもあるが、一般にはマイナーで ある。そんなわけで、ラーメン好きの日本人は、ロンドンに行かない 限りインスタントで我慢しなくてはならない。
イギリスにいて1年も 過ぎるとなんと日本食に恋焦がれることか、日本に間もなく帰国とい う頃は、日本に帰って何を食べようかということばかり考えていた。 さて、こんな食生活であったが、あるときyさんから、バーミンガムの 中華材料店のことを教えてもらった。大学から車で30分以上かかるが、 日曜日も空いているので、たびたび買にいくことになる。そこには、 ちょっと離れて2件の中華材料店とその近くに小さな中華街があった。 中華材料店に入るとまず八角の強烈な匂いが鼻をつく。そこは、比較 的大きく、中国の雑誌や中国人用の旅行会社まであった。中華材料店 の中には、日本酒や豆腐もある。ただし、豆腐の方は、中国製のものは、 やはり日本のとは多少味が違う。もっとも日本製の真空パックに入った ものも売られていて我々はそれをよく買った。生麺もうっているが、や はり日本のラーメンの腰のある麺とは違っている。さてそこで、見つけ たヒット商品は、湯葉である。向こうではプーチク(腐竹)といってい たが、中国製のそれは、丸い棒状で日本のような繊細さはないが、味は 湯葉そのものであった。もう一つは、日本製のインスタントラーメンと たくわん、そして日本製ではないが、さきいかがあったことである。さ きいかは、ほんのちょっとしか入っていない割には高かった。また、日 本の「やわらぎ」に似た中国製のメンマも売ってていたので、ラーメン の具に重宝した。そんなわけで、1ヵ月に2回位はバーミンガムの中華 材料店のお世話になった。
Snowdonia
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