英国日記20
Stonehenge

昭和天皇御崩御とコッツウォルド

我々は、朝のBBCニュースで日本の様子もある程度知ることができた が、夜放送されるラジオの短波放送の日本語放送もときどき聞いていた。 お正月あけの1月6日はいつものように大学から帰って夕食後に日本語 放送を聞いた。前の年の暮れからほとんど毎日、昭和天皇のご容体の様 子が、報道されていたが、この日は、官房長官の発表ということで、天 皇陛下の御崩御が伝えられた。イギリスでは6日の夜であったが、 日本では7日の朝であった。さっそく、日本に国際電話を かけてみた。ところが、日本では朝早かったために、うちの実家ではこ のニュースをまだ知らなかった。なんて言うことはない、日本から遠く 離れた我々の方が早くニュースを知っていたのである。
さて次の日の朝、うちの前に住むパキスタン人の2人がうちを訪ねてき た。いつも会うとにこにこしながら挨拶はするのだが、今日は神妙な 顔つきである。何の用だと思ってい玄関にでると、彼等も天皇御崩御 のニュースを見て、わざわざ我家にお悔やみを言いにきたのである。 ぼくとしては逆に面喰らってしまった。こんなことをいうと不敬だとし かられるかもしれないが、天皇陛下がなくなられたことは、我々日本人 にとって確かに大きなニュースではあったが、それ以上の感情はあまり なかった。少なくとも我々の世代では戦争も体験していないし、戦前の 教育も受けていないわけだから象徴としての天皇しかしらないわけである。
さて、イギリスでも天皇のこのニュースはかなり大きく報道されていた 。やはり、戦争責任ということに絡んだ報道が多かった。第2次世界 大戦中に捕虜になった人達の談話とか、葬儀にはだれも出席すべきで ないといった意見などが報道されていた。そういう意味では、まだ世 界大戦の影響が根強く残っているのである。もちろん普段の生活では、 日本人だからといって差別を受けることは全くないが、年配の人には 苦い経験として日本人に特別の感情を持っている人も少なくないのであ る。
1月7日は土曜日であったので、我々はかねてから計画していたCotswol d Wildlife Park という動物園に行った。Cotswold というのは、スト ラットフォードの南側、オックスフォードの西側に位置する丘陵地帯 で風光明媚であることと羊の毛で作られるウールの産地として有名で ある。我々はこの素朴なCotswoldが気に入りよく行った。
Cotswoldの中を走る道路は決して広くないが、アップダウンのある変化 にとんだ道で走っていても楽しい。またところどころに小さな町があ るが、これも素朴で味わいがある。Wildlife Park には、A429を通っ てStow-on-the-Woldという町からA424で行く。コベントリーから2時 間もかからずに行ける。娘の瑛美にとって動物園は初めてだったので、 最初はこわがっていたが、すぐになれた。日本の動物園と違い広大な 敷地にあるのと、おりも大きいせいか何故か開放的であるように 感じた。それと日本のように人がごみごみいないせいもあるのかもしれ ない。
Tenby

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