英国日記49

ストラスブール(その1)
フランスのエスト(東)駅から列車にのって4時間ばかりでストラスブ
ールにつく。フランス国鉄(SNCF)は日本の国鉄のように時間も正確だし、
TGVという新幹線のようなものもある。われわれは行きも帰りも鉄道を利用
したが、これがなかなか快適であった。特に帰りに乗った列車のわれわれ
の車両は半分が、座席になっているが、あと半分は、子供の遊び場になっ
ていた。日本では料金を払わない子供は大人の
膝の上に座らせなければならないが、フランスではそんなけちな根性は
していない。いかに快適に、そして料金を必要としない子供たちもが飽
きないようにと車両の半分を解放しているのである。せまい通路を小さ
な子供たちが走り回っている日本の鉄道も
発想の転換をしてはどうかと思う。
さて、ストラスブールはドイツとの国境近くにある町で、世界史でもお
なじみのアルザス・ロレーヌ地方に位置する。そのため何度かドイツ領
になったりフランス領になったりした土地である。ドイツ領の時はシュ
トラスブルグと呼ばれていた。
国際会議はこの町にあるECの会議場で行われた。ストラスブールについ
て、駅前の予約しておいたホテルに行った。ホテルの最上階の部屋に通
された。われわれは大人2人子供1人であったが、その部屋にはなんと
5つもベットがある素敵な部屋であった。この時は、国際会議に出席す
る人達で混んでいたわけだが、シングルもしくはツインは部屋がたりな
くても3人以上の部屋は空いていたのかもしれない。
そんなわけで、ちょっぴり得した気分になった。部屋には、トイレとシ
ャワーがついていたが、おもしろかったのは、トイレである。もちろん
水洗なのであるが、日本やイギリスと違って、レバーを
引くと水が流れるというのではなく、蛇口のように小さなノブをまわす
と水が出てくるようになっている。昔の男子用のものとそういう点では
似ている。その日の夜は、ホテルの近くのレストランに入って食事をし
たが、何を食べたかは覚えていない。
次の日、ホテル前から国際会議で
チャーターしたバスで会議場に行く。登録をすまし、分厚い資料をもら
って、いくつかの興味あるセッションの話を
聞く。良く見ると何人かの日本人もいるようである。というよりも知っ
た顔の大先生も来ている。日本の物理学会では顔を見るだけであったが、
この際だからご挨拶をしておこうと思い、ティータイムの時に挨拶をした。
どうやら大先生も僕と同じセッションで発表するらしい。そのうち他の
分野の日本人の他の大先生も集まってきた。意外と日本人が多い。会議
の参加者でWARWICK大学の人ととても良く似ていた人がいたが、顔を見た
だけで話したこともなかったので、気にはなったが、特に話しかけもせ
ずにいたら、向こうもこちらが気にしているのが
わかったのか、向こうから話しかけてきた。ところが、話していて、相
手がWARWICKとは全く関係なく、ギリシャから来た人だとわかり、気恥ず
かしい思いをしたこともあった。
昼食は、会議場内の食堂の食券をもら
ってそこでする。そこで、食事をしていると日本人らしき人(というよ
りも日本人なのだが)が、同席してもいいかといってきた。
こういう場合は、相手が日本人だろうと思っても英語で話しかけてくる
からおもしろい。もちろん、OKをした。
こちらにとってもありがたい。一人でもくもくと食べるよりは
その方が料理がおいしく食べられる。彼は超伝導の研究をしているとい
うことで、日本では、企業から派遣されて財団法人に籍を置いていると
のことであった。僕は、磁性のセッションを聞くために午後は別々の会
場にわかれた。その日の夜は、いったんホテルに戻ってから、ストラス
ブールの中心街まで歩いて行って、中華料理を食べた。
家内と娘は昼間、町をウインドウショッピングして教会のキャシードラ
ル(大聖堂)を見学したそうである。ここの大聖堂は塔が1本しかない
のが特徴で、仕掛け時計が聖堂内にあり、多くの観光客を集めているよ
うである。