英国日記5

さて次の日の朝、何も食べずに大学に行く。よく考えて見れば 昨日もろくに食べていなかったかもしれないが、特にお腹もす かなかったようだ。時差ぼけと飛行機内での機内食でかなりお 腹がいっぱいだったせいである。ところで大学に行くとジュリ ー (Staunton の名前)の隣の部屋があてがわれた。このウォ ーリック大学の物理学科の場合は、外国からの研究者は一部屋に 3人くらいで共有することになる。場合によっては、ドクター コースの学生がその中に入ることもある。僕の部屋には、豊か な髭をたやしたオーストラリア人がすでにそこの住人であった。 すぐあとでわかったことだが、彼こそは、Cryfield Cottage のわが家の隣人サリーの旦那でもあったのだ。名前はフィル・ スミス。一見こわそうでありあまり笑わないが、親切にいろいろ 教えてくれた。そのことはまたあとで話そう。
とにかく第一日 目の午前中は部屋にいる暇もなくいろいろな手続きが必要であっ た。まず、大学当局に行って、書類を書き、大学の職員書を 作ってもらう。また物理学科の玄関の鍵と部屋の鍵ももらう。 給料振込のために大学内にある銀行にいって口座を開く。大学 内には、3つの銀行があったが、ジュリーにすすめられるまま バークレイバンクに当座預金をすることにした。そのほか、ま だまだしなければならないことがあったのだが、とにかくどこ かで食料品を買い出しに行かなくては、今日からのご飯がない。 そこで午後は家に帰っていいかとジュリーに願い出て宿舎に戻 った。
スーパーは大学の敷地をはさんで逆側に小規模なショッ ピングアーケードがある。さっそく我々は大学を横切ってそこ のスーパーに買い出しに行くことにする。スーパーは、テスコ というのとセンズベリーというのがある。どちらが良いかはわ からないが、とりあえずテスコに行く。店内は思ったよりも広 く、洋服や文房具類と食料品がならんでいる。何を買ったかは 今となっては覚えていないが、米を買ったことはたしかであろ う。日本の米に似ているというので、イタリア産のライスプッ ディング用の米である。この米は冷えるとあまりおいしくない が炊きたてであれば十分に食べられる。また豚肉のスライスし たものを買おうと思ったが、向こうではすべてベーコンとして 売られている。もっとも日本のようにベーコンというとバラ肉 をスモークしたものではなく、ロースを薄切りにしたもので、 中には塩分が強いものもあるが、われわれは日本で豚肉を料理 するのと同じようにそれを使っていた。ソーセージは日本のよ うなプリプリしたものはなく、みな生である。最初は、口にあ わなかったが、イギリスから帰るころにはこのソーセージを朝 食べないと一日が始まらないと言うくらいのファンになった。
野菜は日本で手に入るものと基本的にはかわらない。ただしき のこ類は、ほとんどがマッシュルームである。われわれはこの マッシュルームを山と買ってきた。バスケット一杯入ってもと ても安かったからである。マッシュルームをスライスしてバタ ー醤油でいためると酒のつまみにもなる。さてイギリスの牛乳 であるが、これは日本でいえば高原で飲むあの濃いジャージー 牛乳がほとんどである。飲む前によくふらないと上の方は、生 クリームが固まっている。これも日本のように180mlの小さな 紙の容器に入っているのではなく、2リットル位の容器に入ってい る。酒、たばこは免税店で買ったものがまだ十分あるので買う 必要はなかった。
ようやくたくさんの食料を買って重い荷物を 持ちつつコテージに戻った。しなければならないことがまだま だある。電話を引くこと。テレビをレンタルすること。自動車 を買うことなどなど。これらのことはまた後で話すことにする。
York

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