英国日記8
My Car

マイカー(その1)

イギリスに着いて最初の日曜日にわれわれは日本人のy氏の家にお呼ばれ した。yさんの奥さんは、われわれが、イギリスに着いたときにコベント リーの駅から大学まで送ってくれた人である。旦那さんは、僕より5歳 くらい上であろうか?ローバーという車の会社に勤めておられる。日本 ではトヨタに勤めていたそうである。
大学の裏のショッピングモールのあるところから閑静なところに少し入 ったところに一戸建の立派な家を持っている。そこへは大学の敷地内の 遊歩道を散歩がてら歩いて行けば15分くらいでいける。旦那さんは、自 動車会社に勤めているだけあって、車いじりが趣味のようで、われわれ が訪れたときも年代ものの黒塗のオースチンをリペアしておられた。リ ペア(修理)というよりも蘇生の方が正しいかもしれない。つまり、オ ンボロになった車のエンジンを直し、ボディーはやすりをかけて塗装し 直し、新品同様の車に仕立て直すのである。われわれが見たときはすで にもう新車なみの輝きをもっていた。イギリスだと、日本では驚くほど 旧型の車でも元気に走っている。なかには、パーツを代えながら使って いるのもあるので、ボディーとドアの色の違うものや、錆びで穴だらけ の車も平気で走っている。(あとで話すが、われわれのものになる車も 例外ではなかった)中には、割れたガラスのところにビニールを貼った ものや、錆びたところをガムテープでとめただけというすごいものもあ る。
yさんが車好きということから、おのずと車の話しになった。われわれも イギリスで中古車を買うつもりで日本から多少のお金を持っていったの で、何かいい車はないかということを尋ねたわけである。y氏がまず見せ てくれたのは、売り出している中古車のリストが載っている雑誌であっ た。(似たようなのは日本でもある)それを見て驚いたというよりも笑 ってしまったのが、向こうでは平気で事故車も堂々と売られているので ある。しかも売りだし広告の写真には、事故で無残に歪んだ車の写真が そのまま載っている。日本では、事故車でもかくして売られているとい うのに、イギリスではそんなことはお構いなしなのである。そのような 写真を見せられたあとに、yさんは、実は、今手元に売りたい車がある というのである。何でも前に大学に来ていた日本人の先生が誰かに売っ てほしいとおいていったものだそうである。車はイタリアのFIAT。 といってもすでに10年落ちといったしろものである。実際に見せてもら ったが、色がオレンジ(なんと派手なことか!)少々、錆びが出ている。 ただし、エンジンは調子いいという。すこし試乗して見ないかといわれ たので、国際免許をもっていったので、のさせてもらう。家内と娘は、 奥さんと家で待つという。yさんの旦那さんと2人でドライブにでかける。 ところが、このFIAT、もともとは、左ハンドルなのを右に変えたもの なので、ウインカーのバーなどが、日本と左右逆についている。それに パワーステアリングでないので、ハンドルが重い。でも走りは、最初の 出だしこそ力はないが、十分に走るようである。売り主の日本人は350 ポンドくらいでといっていたが、300ポンドでいいという。日本円にす ると6万円強である。われわれは、イギリスで中古車を買うにしても30 万円は必要だろうと思っていたので、ずいぶん安い買い物ですむと思っ たわけである。でも外見が、錆びが出ていていまいちである。とくに運 転手側のドアの下側が錆びでぼろぼろになっていた。はっきりいって オンボロ車である。そんなことで、難色を示していたら、今度バザーで ドアを見つけてきてくれるとyさんがいう。そこで1週間考えさせてくれ ということになった。結局その車を買うことにしたのだが、yさんは約束 通り、錆びていない同じ車種のドアのパーツをバザーで見つけてきた。
イギリスでは、日曜になるといたるところで、カーブーツセールと呼ば れる日本でも最近はやり出したフリーマーケットが開かれる。そこには、 各種各様の品物がならべられるのである。なかには、ガラクタとしか思 えないものもある。一般の店の閉まる日曜日に開かれるのでわれわれも 日曜日になると良くいったものである。もともとは、広場に車を乗り入 れてそのトランクの中に品物を広げて売っていたので、カーブーツセー ルと呼ばれている。われわれが日本を立つ前は、あまり日本で行われて いなかったので、イギリスでこれを体験したとき、日本に紹介すればは やるだろうなと思った。そこで、つくばに帰ったら住んでる宿舎の自治 会に申し出ようかとさえ思っていた。しかし帰って見ると日本でもすで につくばではいくつかのところで、このフリーマーケットが開かれてし まっていた。ところで、われわれの購入することになった車については、 いくら話しても話し尽きないほどいろいろの思い出がある。これらにつ いては、おいおいお話しすることにしよう。さて、yさんからはそのほか イギリスでの生活やスーパーでの買い物で便利なものなどいろいろ教え てもらいその日はおいとました。
Blenheim

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